教師は英語を教えるな! ビジネスパーソンの英語学習法(その3)

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教育が、長期的な経済力に大きな影響を与えることは言うまでもない。日本の教育全般は世界でも高い水準を維持している。しかし、英語教育だけはグローバル化の要請に応えることができていない。このまま英語教育を放置すれば、今後の経済に大きなマイナスとなることは確実である。
英語教育の改革をどんどん進め、若者の英語力を高めているアジア諸国に追いつくにはどうすれば良いのか。国家的な問題としての英語教育を考え、具体的かつ即効性のある改善策を模索する。それがこの連載「英語教育2.0」のコンセプトである。
大学でも英語を使う授業が増加。英語は社会人として必須のツールになりつつある(撮影:尾形文繁) ※ 写真と本文は直接関係ありません

目標が変われば勉強法は変わる

さて、今回も社会人の皆さんが、どのような目標を持ってどのように学習を進めれば、英語が話せるようになるのか、また、どのような社内研修を実施すれば社員の英語力を効率よく高めることができるのか、をお話ししたいと思います。

前回は、写真を描写する問題を目標として、発話の訓練をする方法を提案しました。今回は、TOEICスピーキングテスト、ヴァーサント(英ピアソン社が開発した英語スピーキングテスト)、英検の二次試験等、ほとんどのスピーキングテストで課される、音読問題をうまく利用しながら、英語力を高める方法について考えてみます。

さて、TOEICのスピーキングテストでは、最初に音読問題が2題出題されます。画面に表示された50ワードほどのビジネス関連の文書を、45秒間声を出して練習した後に、45秒間で吹き込みます。

この問題では、ノンネイティブとして十分に相手に通じる発音やイントネーションが身に付いているかが試されます。きちんとビジネスができるレベルであれば、高いスコアが出ます。また、発音とイントネーションの「ネイティブ度」に関しては、別枠で努力目標として「HIGH/ MEDIUM/ LOW」のスケールで示されます。

近年、発音やイントネーションの機械による判定が相当に進んできています。多くのテストが、人力に加えて機械による測定を導入しており、判定の信頼性は非常に高いものになっています。

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