LRテスト信奉から脱却せよ
「社内英語公用語化」という掛け声とともに、どの企業でも「英語を学びなさい」という大号令がかかり、社員の皆さんは英語学習にいそしんでいます。しかし多くの企業では、いまだに「英語=TOEICリスニング・リーディングテスト(以下LRテスト)」という認識から脱却できていないように思えます。
そのように、LRテストを偏重すると何が起こるのでしょうか?
日本や韓国のようなEFL環境(外国語として英語を学び、日常において英語を使用する絶対的必要性が少ない環境)では、多くの人にとって、テストが英語学習の必要性を生み出しています。
目標となるテストが、学習手法に与える影響のことを「ウォッシュバック効果」と呼びますが、現在、日本ではLRテスト偏重のウォッシュバック効果により、リスニングとリーディングばかりに、社会人の学習が偏ってしまっています。
1980年代までは、これほどまでに多くの人が、英語のリスニングを勉強することはありませんでしたから、LRテストは、リスニング学習の普及には大いに貢献したのかもしれません。しかしながら、LRというのは、受動的な技能にすぎません。LRができたからといって、英語が使えるわけではないのです。
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