常見:なぜASUKAさんはリスペクトされるのだと思いますか?
ASUKA:流れに乗らないことですね。流されないというか。「私はこっちで行きますよ」というものがあって。自分のやり方、あり方を信じる。その信念ですよね。自分を信じてやってきたことが、まずあって。それがまた、正しかったんだなっていうところですかね。
批判に負けず、自分を信じる
常見:あの、失礼ですけど、ASUKAさんは日本では、ファンも多いかわりにアンチも多かったですよね。批判されたり、異端児扱いされたり。WWEに行ったことに対するバッシングもあると思います。それでも、ASUKA選手はブレないじゃないですか。ASUKA選手はなぜそんなに心が強いんですか?
ASUKA:自分を信じていること、そして他人の言っていること、思っていることを考えすぎないということですね。日本で活動していた頃、私は先輩にも本当に嫌われていました。当時の女子プロ界のあり方を批判したのです。それがキッカケで、上の世代の人たちに本当に嫌われました。でも、実際に会ってみたら何も言われないんです。陰で言っているだけで、何も言ってこないのです。別に折れるという感覚が私にはないですね。
常見:自分の創りたい世界というか、やっていることを信じているからこそなんでしょうね。日本を離れて、米国から、海外から見て、日本に対する見方は変わりましたか?
ASUKA:やっぱり、プロレスにしろ、何にしろ、日本人は批判から入るというか、ちょっと引き算というか、ネガティブに見る傾向があると思うのです。よく言うと、細かいところまでよくチェックしているなとも言えるのですが。でも、米国はとにかく明るくて、試合を見るときもとにかくプラスで考えるんです。「いやあ、良かった。あそこも良かった、ここも良かった」と。気候や言語なども絡んでいると思いますが。「プロレスを、ショー、エンターテインメントとして楽しもう!」という感じなんです。
常見:いいですね。僕は、今の日本って、ますますダメ出し社会だなって思っていて……。ところで、日本では今、「女性の活躍」が叫ばれていますが……。日本はやっぱり女性にとって生きづらい社会ですか?
ASUKA:そんなことはないと思います。私も短大を卒業してから会社に勤めて、デザインの仕事をしていましたが、そんなに難しいという感じはしませんでした。でも、私がいた女子プロレスの世界で言うと、過去の成功体験にとらわれていて、昔のやり方をそのままやろうとするじゃないですか。時代は流れているし、それでは成功できるわけがないです。先へ進まないといけないのに、昔の方向に進むのはよくないなと思っていました。
常見:過去の栄光だけにすがっているだけ、みたいな。
ASUKA:本当にそれはありますよね。感じます、すごく。
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