離婚後の「子の幸せ」を"第三者"に頼る親たち

「面会交流」の現場がいま、様変わりしている

別居する親と子の「面会交流」の現場が、劇的に変わり始めています
離婚や別居により、離れて暮らすことになった親と子が、直接対面してふれあう「面会交流」が注目を集めています。離婚率の増加や少子化の影響で、面会交流そのもののニーズが高まっているだけでなく、第三者機関が支援や仲介に入って行う、新しい形の面会交流が急速に広がっているからです。
今回は、そんな面会交流の現場に立ち会わせてもらい、当事者や彼らを支援するNPO法人の方にお話を聞きました。
各人の働き方や家族の形が多様化することで「幸せの形」もひとつではなくなっている昨今。そんな中で「子どもにとっての本当の幸せ」を考えることの難しさと、重要性が浮かび上がって来ました。

 

6月のある日。雨が降りしきる東京郊外の屋内施設。

まだあどけない表情のDくん(7)が、NPO職員に手を引かれてやって来ました。続いて現れたのは、スーツ姿の男性・Tさん(38)。Dくんの顔を見るなり「D! 元気だったか!」と、嬉しそうです。Dくんも「お父さん!」と駆け寄って、Tさんの腕にぶら下がりました。

Tさんは「風邪ひいてないか?」などと話しかけ、のどが渇いたと言うDくんにジュースを買ってあげます。片時も離れずにじゃれ合う2人。しかし45分が経過すると、別れの時間です。TさんはDくんに「また8月ね。お父さん、仕事に行くね」と手を振って、去って行きました。Dくんも名残惜しそうに手を振ります。

2カ月に1回半休をとり、45分間だけわが子と過ごす

TさんとDくんは血のつながった父子ですが、今は家族ではありません。TさんのDVが原因で、妻のAさん(35)と離婚。当時2歳だったDくんは、Aさんに引き取られました。

以来5年間、TさんはNPO法人「ウィーズ」の支援を受け、このような「面会交流」を続けています。2カ月に1回半休をとり、45分間だけ、公園などでDくんと触れ合うのです。

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