「娘と5年別居の父」が親権を勝ち取れた事情 「子どもの意思」は、どこまで尊重されるのか

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裁判所は一緒に暮らしてきた事実を重く見る傾向にありますが…(写真:msv / PIXTA)

夫婦の別居に伴い、当時2歳の娘を連れて行かれ、約5年間面会させてもらえなかった男性が、娘の「親権」などをめぐって妻と争っていた離婚裁判で、千葉家裁松戸支部は3月29日、男性を親権者と認める判決を出した。

従来、裁判所は一緒に暮らしている事実を重く見てきた。今回のように、子どもと別居している方の親が親権を得るのは珍しいという。

親権決定に「子どもの意思」は関係ないのか

当記事は弁護士ドットコムニュースの提供記事です

決め手になったのは、男性が妻側に示した綿密な「共同養育計画案」。妻に年100日ほどの面会や毎日の電話を認めるといった内容で、裁判所は男性を親権者とした方が両親に会える機会が増え、娘の利益になると判断した。

ネットでは、「(子どもを)連れ去ったもの勝ちを許してはいけない」と判決を評価する声がある一方で、現在小学3年生(判決時点では2年生)の娘が約5年、男性に会っていないことから、「娘の気持ちはどうなんだろう」「子どもの意思は関係ないのか」という意見も見られた。

親権をめぐる裁判で、子どもの意思はどう扱われるのだろうか。離婚問題にくわしい高木由美子弁護士に聞いた。

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