その「しつけ」、実はれっきとした「虐待」だ

親に認められた「懲戒権」を曲解するな

「しつけ」と「虐待」の境界線はあるのでしょうか(写真:YUMIK / PIXTA)
自分では「しつけ」だと思っていたのに、実は虐待だったのでは……そんなことに悩む親御さんは少なくないようです。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにも、そんな悩みを抱えた両親からの相談が多く寄せられます。しつけと虐待の境目は、どこにあるのでしょうか。川村百合弁護士に聞きました。

 

Q. たたかれないよう、子どもがビクビク過ごしています

夫が、「しつけ」と言って子どもを怒鳴ったり、たたいたりします。ご飯中にごはんをこぼしたり、宿題ができなかったりするとたたきます。

子どもたちは、夫に怒られないように気をつかって、ビクビクしながら過ごしているのがわかります。

私は度がすぎていると思うのですが、これは「しつけ」の範囲内なのでしょうか。

「しつけ」の範囲を超えるケース

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

A. 日常的な体罰は、しつけの範囲を超えている

虐待をしていた親の多くは、「しつけ」のつもりだったと弁解しますが、今回のケースは、「しつけ」の範囲を超えていると思います。

子どもの身体に対する一定の有形力の行使(体罰)が「しつけ」として許されるかどうかは、日本の法律では、必ずしも明確ではありません。

民法で定められた親の「懲戒権」(822条)を根拠に、「しつけ」の目的で行われる一定の体罰は懲戒権の行使として許されるという考え方があります。

学校の教師に認められている懲戒権は、いかに教育目的であっても体罰は絶対的に禁止されています(学校教育法11条)。一方で、親に認められた懲戒権に関しては、こうした規定はありません。この対比から、親には体罰を行使することが認められると一部で考えられているのです。

次ページ子の「人格否定」になっていないか
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 岐路に立つ日本の財政
  • CSR企業総覧
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT