「シングルマザーが集う家」に行ってみた 子育てを「シェア」するという試み

縁は子供を救えるか
かつての日本を振り返れば、普通の人々が地域ぐるみで子どもを育てるというのは自然なことだった。
子どもたちは、悪いことをすると近所のおじさんに叱られ、町内の優しいおばさんに世話や心配をしてもらいながら育っていた。試行錯誤しながら子育てに取り組む新米の親たちに、子育ての経験者である血縁・地縁のある人々が手を差し伸べるのも普通だった。
つまり「縁」が、自然な形で子どもたちを、また子育てを支えていたと言えるだろう。悩みを抱える親や子どもたちを、児童虐待といった悲惨な事態が起きないように守っていたのだ(もちろん、一方でそれは「わずらわしい」人間関係の元となってもいただろうが)。
今や土地やコミュニティ、親類縁者といった縁は、すっかり薄れたと言われる。しかし、その一方では新たな形で、縁を育む試みが始まっていることも確かだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら