不倫漬けの妻…なのに親権「母親優先」のナゼ 裁判所が重視しているのは「母性」ではない
浮気をしても、暴言をはいても、母親は親権をもらえるの? 2月14日に弁護士ドットコムライフに掲載した記事(「娘に『いらない子』と暴言をはく妻…それでも夫が『親権』をとれない理由」)には、読者のみなさんから多くの賛否両論が寄せられました。
特に賛否が分かれたのが、記事中に登場する「母性優先の原則」について。乳幼児であれば、たとえ妻が暴言を浴びせていても親権を取り養育できる可能性があるという裁判所の考え方に、「時代にそぐわない原則だと思う」「日本の裁判所はマニュアル通りだ」といった批判がみられました。
「母性優先の原則」に悩む父親たち
弁護士ドットコムの法律相談コーナーには、「母性優先の原則」という高い壁に悩む父親たちの悩みの声が多数寄せられています。
Aさん・・・「5カ月前に妻が出て行き、5才と8才の子どもは私の実家で母とともに養育しています。妻は夜に子どもを置き去りにし、男と浮気していました。妻は、実家での暮らしを考えており、もし妻に親権が渡ると子どもは小学校を転校し、保育園も変更することになります。それでも親権争いでは妻が有利なのでしょうか?」
Bさん・・・「現在、妻の浮気調査中で、証拠はほぼ上がっていて、有責配偶者になることはまちがいないです。離婚する場合は、娘(6才)の親権を得たいと思っています。現在、妻は残業と偽り週の半分は深夜帰宅。家でも子どもと最低限の会話しかせず、一緒に寝ることもしません。
食事は週に一度作るかどうか。保育園の送り迎えだけは基本的にこなしており、育児放棄まではいかない状態ですが、それ以外の家事、育児はほぼ私です。私は、仮に片親になったとしても、家事、育児はすべてこなせる仕事ではあります。実家の手助けもある程度期待できます」
この2人のケースのように、「妻が浮気をして子どもを置いて出て行った」「妻が育児をほとんどせず、代わりに夫である自分がこなしている」などの場合でも、「母性優先の原則」により、母親に親権がわたってしまうのでしょうか? 小田紗織弁護士に聞きました。