小学校で大流行「2分の1成人式」の"異様" 「美談」で済ませていいのか?
子どもの「個人情報コントロール権」を侵害している
木村:内田さんは「2分の1成人式」についても問題提起をされていますね。これは、子どもが成人の2分の1にあたる10歳を迎えたことを記念して、小学校で昨今よく行われるイベントですが、どういう問題があるとお考えですか?
内田:学校によって内容は異なるのですが、よく問題になる点は2つあります。ひとつは「親への感謝の手紙」を書かせること。もうひとつは、子どもが生まれてからの10年間を振り返るために、写真とか名前の由来とか、いろんな思い出の言葉や品を引っ張り出してくることですね。
まず、「親への感謝」の手紙ということで言えば、家庭で虐待されている子どもはどんな気持ちになるかというところ。「過去の10年のいろんなものを引き出してくる」ということでは、離婚や再婚、里親、養親、施設などの子どもや家庭をどう考えるのかというところ。そういった問題があるのに、そこにはフタをして、「いいものだ」ということで行われているのです。
木村:それは、法的には「プライバシーへの無配慮」ということになるでしょうね。子どもが持っているプライバシー権、すなわち個人情報コントロール権を侵害している。
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