中学受験塾で成績が向上しないときに採る道 転塾?プロを活用?志望校合格逆転の方法
子供と親と塾。中学受験においてこのトライアングルは1つの有機的システムといえる。子供の性格はもちろん、中学受験に対する親のスタンス、そして塾の指導スタイルによってお互いの距離感やバランスの取り方が変わる。
中学受験に挑む家庭はたくさんあっても、1つとして同じトライアングルは存在しない。ベストバランスが見つかれば、塾の機能も親の機能も最大限に発揮され、子供の実力が最大限に引き出せる。
ただしそのベストバランスを見つけるまでには意外と時間がかかるもの。状況に応じて、ときどき調整も必要。よく、「4年生は正しい学習習慣を身に付ける時期」と言われる。もっと正確に言えば、「4年生は試行錯誤をくり返し、正しいトライアングルをつくる時期」なのだ。
できるだけ早く、正しいトライアングルをつくるためには、塾に子供のことを理解してもらうだけではなく、親が塾のことを理解する必要もある。塾が設計する学習サイクル「スモールステップ」に込められた意図を正しく理解することはとても重要だ。
カリキュラムの速い塾への転塾は危険
5年生になっても、子供が努力しているにもかかわらず成績が上がらないのだとしたら、トライアングルがうまく結べていない可能性が高い。どうしてもトライアングルが安定しないとき、大きく分けて2つの選択肢が考えられる。1つは転塾。もう1つはプロの助けを借りること。
単に成績が上がらないから別の塾へと移るのはNGだ。さまよい続けることになる可能性がある。「スモールステップ」があっていなかったのか、レベルが高すぎたのか、講師とのコミュニケーションが成立しなかったのか、今の塾では何がうまくいっていないのか、うまくいっていない原因を分析し、そこに対する適切な対処を与えてくれそうな塾に転塾すべきだ。中小塾への転塾が解決策になる場合があることは、12月25日配信の「『残念な中学受験塾』を見抜く7つのポイント」で述べたとおりだ。
大手塾から大手塾へ転塾する場合には、カリキュラムの進度に要注意。進度の遅い塾から進度の速い塾への転塾は危険。同じカリキュラムかそれよりも遅めのカリキュラムを採用している塾へと乗り換えるのがセオリーだ。ただし、今いる塾では物足りなくなり、さらに高いレベルの塾に移りたいというのであれば話は別である。
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