習近平が危ない!中国で異例の事態が続出 絶対権力者の地位を脅かす3つの兆候とは?

✎ 1〜 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この公開状が掲載されたことで大騒ぎとなったのは当然だ。急きょサイトは閉鎖され、責任者は逮捕された。その後同紙は再開されたが、問題の記事はすでに削除されている。

以上、3つの問題を紹介したが、それ以外にもいくつか注目されたことがあったので、いくつか記しておきたい。

人民日報が政府の経済政策を批判

・大胆な発言で有名な任志強が共産主義青年団や中央の宣伝部門をあからさまに批判したが、諸勢力間の確執のため拘束されなかった。

・「個人崇拝」的な風潮、たとえば、「習大大(「習近平大人」という感覚か)」と呼ぶことを禁止する通達が発出された。

・人民日報が、政府の公式発表とはかなり趣の異なる、「権威ある人」の経済分析記事を報道した。その内容は、中国経済が投資へ過重依存、不良債権、「地下銀行(闇の金融機関)」などかねてから指摘されている問題を解決できていないことに対する率直で厳しい批判だ。

かといって、習近平の力を過小評価するべきではない。また、冒頭で述べたような中国の統治メカニズムは基本的には有効に機能していると考えられる。

しかし、中国の政治においてはつねに緊張関係があるし、不安定化することもありうる。そうなれば外交への影響も不可避だ。本記事で紹介したような事柄をみて「習近平政権が危機的状態に陥っている」とみなすのは速断にすぎるが、今後の中国の政治状況をフォローする上で考慮に入れておくべきだ。

美根 慶樹 平和外交研究所代表

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みね よしき / Yoshiki Mine

1943年生まれ。東京大学卒業。外務省入省。ハーバード大学修士号(地域研究)。防衛庁国際担当参事官、在ユーゴスラビア(現在はセルビアとモンテネグロに分かれている)特命全権大使、地球環境問題担当大使、在軍縮代表部特命全権大使、アフガニスタン支援調整担当大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表を経て、東京大学教養学部非常勤講師、早稲田大学アジア研究機構客員教授、キヤノングローバル戦略研究所特別研究員などを歴任。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事