第3に、さる3月初め、「習近平同志に党と国家の指導的職務を辞するよう求める」と題する公開状なるものが一部メディアに掲載された。これは習近平を支持しない勢力があることを示す象徴的な出来事だった。
この異例の公開状は、「習近平主席、あなたは権力を全面的に自己の手中に収め、なんでも自ら決定し、政治・経済・思想・文化各領域においてかつてない問題と危機を招来した。
人民代表大会、政治協商会議、国務院内の党組織を強化する一方、国家の各機関の独立性を弱体化させた。李克強国務院総理を含む同志の職権は大きく影響された。
中央規律検査委員会が各国家機関・国有企業に派遣する巡視組は新しい権力機構になり、各級党委員会と政府の権力・責任関係は不明確になり、政策の実施が混乱に陥っている」と批判した。
台湾民進党の勝利も習近平の失策?
また、外交面では、「一帯一路」構想により資金を無駄遣いしたことを批判し、南シナ海問題については、「米国が韓国、日本、フィリピンおよびその他の東南アジア諸国と統一戦線を形成し、中国に共同で対抗するのを許してしまった」と指摘している。
さらに、台湾の総統選と立法院選挙で民進党が圧倒的な勝利をおさめたことさえ習近平の失策としてあげている。
このような内容の公開状が、短時間であったとはいえ、中国のメディアによって報道されるのはあってはならないことだ。香港の『明報』によれば、初めて掲載したのは、外国に拠点がある民主派のサイト『參與網』であったが、3月4日付の『無界新聞』が転載した。
こちらは「中央インターネット安全・情報化指導小組(党中央の宣伝部門の上に置かれており、その長は習近平)」の傘下にある党の新しい宣伝媒体だと説明されている。
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