習近平が危ない!中国で異例の事態が続出

絶対権力者の地位を脅かす3つの兆候とは?

そのうえで、「金銭で権力を獲得する者が少なくない」「幹部は家族が裏でカネを受け取るのを認めている」「自己が長年培ってきた人脈を使用して子女が暴利をむさぼるのを助けている」と批判している。

つまり、いわゆる太子党、あるいは「紅二代(革命の元老の子の代)」が国有企業を食い物にして私腹を肥やしていると、世界のチャイナウォッチャーによって指摘されていることを、習近平自身、そのとおりだと認めたのだ。

習近平はさらに、取り締まりは不十分だし、ブレーキをかける者がいるとも言っている。習近平の下で王岐山が率いる規律検査委員会は党委員会の権威を損ねるほど猛威を振るい、恐れられる存在になっているが、それでも足りないと言うのだ。

この発言は、中国共産党中央委員会の機関紙『人民日報』5月3日付が4カ月遅れで全文を掲載した。あまり率直に真実を報道すると中国の問題点をさらけ出すことになるので慎重になったから発表が遅れたのだと思われる。

大衆重視路線を阻む厚い壁

第2に、習近平の大衆重視路線は厚い壁に阻まれている。習近平が「一般人民(老百姓)の声を重視せよ」と強調していることは公式に報道されており、そこまでは問題ない。

しかし、経済発展も重視する現政権として、大衆重視をあまり強力に進めることはできない。そうすれば支配層を徹底的に破壊した文化革命を積極的に評価することになる危険があるからだ。5月16日は、50年前に発生した文化革命の記念日であり、人民日報は翌日、あらためて文化革命は否定しなければならないと強調する論評を行っている。

つまり、習近平は文化革命否定の基本方針を堅持しつつ、大衆重視路線を進めなければならないという矛盾した状況にあるのだ。

一部には、習近平は「左傾化している」という評判さえ立ちはじめている。これは習近平の大衆重視傾向を警戒する経済発展重視派からのけん制球だろう。

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