「消費税減税」一色に染まった衆院選の"重すぎるツケ"、ヨーロッパの失敗を今になって繰り返す日本政治の深刻な機能不全

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自民党ポスター
主要政党が軒並み「消費税減税」を打ち出した、今回の衆院選。その代償が今後、日本国民に大きくのしかかってきかねない(写真:ブルームバーグ)
総選挙後の高市政権に課された大きな課題は、消費税減税をどう処理するかである。ヨーロッパでは、新型コロナウイルスによる経済停滞に対処するために付加価値税の減税が行われたものの、国際機関からの批判の対象となった。問題が多いとわかっている政策を本当に実行するのだろうか――。野口悠紀雄氏による連載第166回。

消費税減税以外に選択肢がなかった衆院選

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第51回衆議院選挙が終わった。振り返って痛感するのは、「消費税減税」という重大な問題について国民に選択の余地が事実上なかったことだ。

ほとんどの野党が何らかの形での消費税減税を訴えた。それに加えて、自民党が従来の慎重姿勢から減税へと急転換した。このため、消費税減税に関しては、与野党で若干の違いはあるとしても、大まかな方向として決まってしまった。

しかし、言うまでもないことであるが、消費税減税は賛否が分かれる問題だ。

今回の総選挙で自民党が消費税減税に積極的な態度を示した目的は「争点潰し」にあるといわれた。本当にそのような意図があったのかどうか、確かめるすべはない。しかし、仮にそうであるとすれば、それは国民に選択の機会を与えないことを意味する。

もともと今回の総選挙は国民に何を問うためのものかが判然としなかったが、「争点となるべきもの」を「争点から事実上除外した」という意味では大きな問題だ。いかなる政策を行うかというよりは、政権を維持できるかどうかが優先されたと考えざるをえない。

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