「消費税減税」一色に染まった衆院選の"重すぎるツケ"、ヨーロッパの失敗を今になって繰り返す日本政治の深刻な機能不全

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「争点なき総選挙」が問題であるのは間違いないことであるが、それより大きな問題は消費税減税が物価高対策として本当に望ましいかどうかである

新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞から脱却するため、ヨーロッパ各国では付加価値税(VAT)の減税が行われた。

コロナ禍のイギリス
イギリスをはじめとしたヨーロッパ各国では、コロナ禍を受けて付加価値税の減税に踏み切った(写真:ブルームバーグ)

ドイツでは2020年に、飲食店・ケータリングなどの外食サービスについて時限的に税率を19%から7%へ引き下げる措置が取られた。イギリスでも20年7月から21年3月末まで、飲食や宿泊、娯楽産業に対するVATの税率が20%から5%に引き下げられた。

ベルギーやオーストリアでは、飲食業界などに限ってVATの減税に踏み切った。このほか、中・東欧でも新型コロナの感染拡大による厳しい経済状況を考慮した税制改正が行われた。

IMF「減税による物価抑制は本筋ではない」

VAT減税の影響で20年8月のユーロ圏のインフレ率は前年同月比でマイナス0.2%と16年5月以来のマイナスに転じ、同年9月から12月まではマイナス0.3%とほぼ横ばいだった。その後、21年1月に6カ月ぶりに0.9%のプラスとなった。ドイツのVAT減税措置が20年12月末に終了したことが要因の1つとみられる。

しかし、期待された効果は得られず、国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)などの国際機関も付加価値減税に対して批判的な立場を表明した。これを受けて、23年以降、多くの国が減税路線から撤退する動きが生じた。

VAT税率の引き下げ政策について、IMFやOECDは概して共通した評価を示している。IMFは「VATの税率引き下げによる価格抑制は物価対策の本筋ではない」と評価し、表示価格は下がっても、供給制約やコスト要因といった物価上昇の原因を是正しないと指摘した。

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