また、広く薄い支援よりも、対象を絞った時限的支援のほうが財政コストを抑えやすいとした。簡単に言えば、VAT減税は費用に見合った効果が期待できない政策ということだ。
価格統制、補助金、減税によって価格上昇を制限しようとする政策は、予算に大きな負担をかけ、最終的には効果的でない。しかし、やりようによっては、財政政策は生活費危機からの回復を助けることができる。各国はインフレ対策のために厳しい財政姿勢を維持しつつ、ターゲットを絞った支援を通じて脆弱な人々を守ることを優先すべきだとした。
OECDも、危機対応では一律の値下げより、脆弱性に応じた支援が望ましいとしている。25年版「Tax Policy Reforms Report」の概要において、23年が「パンデミック時の一律的な減税・救済措置から転換する転換点」であったとしている。23~24年に「幅広い減税/支援措置からの転換」が進み、政府が幅広い一律措置よりも特定の課題・対象に向けた税的支援(targeted tax support)にシフトしているというのだ。
つまり、VAT減税は、ヨーロッパにおいて試みられたものの、物価対策として定着することはなかったのである。そして、物価対策としては、対象を特定化した支援を行うべきだということに幅広いコンセンサスが形成されている。
深刻な機能不全に陥っている日本政治
話を総選挙後の日本に戻そう。今回の総選挙で与野党のほとんどが消費税減税を経済政策の柱として掲げた。国民としては、チームみらいを除くと、与野党のどちらに投票しても、それを阻止することができなかった。
日本の政治は、これから消費税減税という大問題に取り組まなければならない。しかし、これではヨーロッパで成功しなかった政策を繰り返すことになる。この意味で、日本の政治は深刻な機能不全に陥っていると考えざるをえない。
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