財政健全化の目標変更は何を意味するか
PBとは「税収などの歳入」から「利払いを除く歳出」を引いたものであり、「利払いを除けば、新たな借金に依存せずに財政を回しているかどうか」を示す指標だ。したがってPB黒字とは、新規の国債発行が利払い分に限定されることを意味する。
この指標は、政策当局の裁量によって直接コントロールすることが可能だ。そして、毎年度の歳出・歳入構造に即時的な制約をかける。つまり、PBは「今この瞬間の財政規律」を問う、極めて厳格な基準なのである。
一方、「政府債務残高対GDP比」は、分母(GDP)がインフレや名目成長で拡大すれば、債務が増えても比率は下がりうる。このため、単年度の財政運営を直接拘束することはない。したがって、財政赤字を続けながらでも「目標が達成された」と説明できる余地がある。
さらに、将来のGDPの推計には多大な誤差が発生しうる。過大に推計しても、チェックは容易でない(PBの推計にも同じ問題があるが、GDPの推計のほうがはるかに難しい)。
債務残高対GDP比は、分母である名目GDPの伸びに大きく左右される。したがって、この指標は、財政運営の「結果」を示すにすぎず、政策当局の意思決定や歳出構造の健全性を直接的に律するものではない。


















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