日本人が抱く「外資系企業」への大いなる誤解 婉曲で不自由でウェットな職場がそこにある
勘違い1:英語での表現は直接的なほうがいい
外資系では礼儀より中身が重要。そう考える人もいるようですが、それは大きな誤解です。たとえば米国では会ったときからファーストネームで呼び合います。日本と違って「年功序列」という仕組みはありません。上司が年下のケースもままあります。会議の席順にも細かい決まりはなく、それぞれ自由に座ります。
一見すると誰がボスなのかわかりません。しかし、人間関係を観察していると、日本以上に上下関係が厳しいことがわかります。上司に面と向かって反対することはありませんし、部下に対しても直接的な批判は避けるのが常識です。「You must do this(これをしなさい)」はNG。「You may like to think about doing this(これをやってみたらどう?)」などと遠回しに伝えるのがマナーです。
あるいは反対意見を述べる場合にも、まず相手の発言に配慮します。「その考えも分かる。でもね……」と話を続けるのが、英語での礼儀です。日本人は、日本語ではこのような表現を自然に使えるのに、英語になるといきなり「No, no, no……」となってしまいがちです。
「ちょっと英語を話せる」という人ほど勘違いしてしまうのです。はっきり意見を伝えることは大切ですが、相手が外国の人だからといって高飛車になって乱暴な表現を使うことは慎まなければなりません。
メールも同じです。外国の人たちは強い意見でも、いえ、強い意見のときほど婉曲にマイルドな表現を使います。それで十分伝わるのです。
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