日本人が抱く「外資系企業」への大いなる誤解 婉曲で不自由でウェットな職場がそこにある

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グーグルやゴールドマン・サックスなどが入居する六本木ヒルズ(写真中央)をはじめ、東京の中心部には世界をまたにかける外資系企業が少なくない(撮影:吉野 純治)
外資系企業での「仕事のルール」は、日本の常識とはまったく違う――。
はたして、それは本当だろうか。『いばる上司はいずれ終わる』(プレジデント社)の著者であり、新卒で外資系製薬企業に入社し、外資系は4社で45年目となるベーリンガーインゲルハイムジャパンの鳥居正男社長は「4つの勘違いがある」と話す。

 

勘違い1:英語での表現は直接的なほうがいい

外資系では礼儀より中身が重要。そう考える人もいるようですが、それは大きな誤解です。たとえば米国では会ったときからファーストネームで呼び合います。日本と違って「年功序列」という仕組みはありません。上司が年下のケースもままあります。会議の席順にも細かい決まりはなく、それぞれ自由に座ります。

一見すると誰がボスなのかわかりません。しかし、人間関係を観察していると、日本以上に上下関係が厳しいことがわかります。上司に面と向かって反対することはありませんし、部下に対しても直接的な批判は避けるのが常識です。「You must do this(これをしなさい)」はNG。「You may like to think about doing this(これをやってみたらどう?)」などと遠回しに伝えるのがマナーです。

あるいは反対意見を述べる場合にも、まず相手の発言に配慮します。「その考えも分かる。でもね……」と話を続けるのが、英語での礼儀です。日本人は、日本語ではこのような表現を自然に使えるのに、英語になるといきなり「No, no, no……」となってしまいがちです。

「ちょっと英語を話せる」という人ほど勘違いしてしまうのです。はっきり意見を伝えることは大切ですが、相手が外国の人だからといって高飛車になって乱暴な表現を使うことは慎まなければなりません。

メールも同じです。外国の人たちは強い意見でも、いえ、強い意見のときほど婉曲にマイルドな表現を使います。それで十分伝わるのです。

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