色々な壁についてご紹介しましたが、結局のところビジネスでは、ギバー的資質を持っている人でもテイカー的な行動をとる人も多いのが現実。他者を利用して美味しいところだけをとる人は確かに存在するでしょう。
ギバーは他者への「共感」がベースにあります。相手への共感が役に立ちたいという思いを生み出しますが、テイカーの人は自分にメリットがあるかどうかがベースにあります。ギバーが共感しても気持ちがすれ違い、手痛い目に会うこともあるでしょう。相手が真性のテイカーだと分かった場合には、相手の気持ちに共感するのではなく、相手が何を求めるのかという考え方を理解して対応したほうがよいでしょう。
「相手への共感」から「相手の思考」へ。テイカーがどんな考え方をするのかを理解すれば、利用されることも減ります。とはいえギバーは共感力は強いものの、テイカーが何を求めるのかはあまり理解できないていないことも多いでしょう。テイカーがどんな考え方をするのかを次項でご紹介します。
では、テイカーの体質とは何か?
テイカーに対して、ギバー的な行動をとってもらうためには、テイカーの4つの体質を理解するとよいでしょう。①ごほうび体質、②お客様体質、③優等生体質、④省エネ体質です。
コラムの冒頭でも述べましたが、テイカーは“人参”をぶらさげられてそれを目指して仕事なり勉強をするのが基本姿勢になっているごほうび体質です。このような人には他者のために動くことがどう自分の利益になるかを明示するしかありません。
本来は他者への貢献はすぐに見返りを期待するようなものではありませんが、どうしてもテイカーに動いてもらう必要がある場合には、共感を求めるよりは、具体的に得られるものを明示したほうがよいでしょう。金銭的なものではなくても、評価や表彰、ポイントなど、ごほうびを目に見える形にするのです。
ギバー体質の人から見れば、そんなもののためにやっているわけではないと思うかもしれませんが、他者に貢献することで得られた満足感や充実感を味わうことができれば、ギバー資質が目覚めることもあるかもしれないので、テイカーが動くためのきっかけとして何があれば動くのかを考えてみましょう。
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