とは言え、「ギバーがいいのは分かるけど、何だか利用されたり自分が燃え尽きたりしそうな気がする・・・」と二の足を踏まれる方も多いでしょう。では、ギバーでいることを妨げる4つの壁とその対処法をご紹介します。
ギバーでいることを妨げる壁と対処法
私が部下やプロジェクトメンバーにギバー的な行動を促した際に、本来はギバー的な資質が多く持っているにも関わらず、なかなかできない人もいます。その人たちに理由を聞いてみると4つの心理的な壁があることがわかってきました。4つの壁は確かにうなづける点もありますが、それを乗り越えると成長や満足できるキャリア形成が待っていると私は思っています。その壁と乗り越え方をご紹介しましょう。
「これ、誰かやらない?」と職場で投げかけられたとき、「私がやります」と手を上げることができるでしょうか。私も若手の頃、「No」と言うな、「Yes」と言え、とよく上司から言われ、無理やり手を上げさせられたものです。こう聞くと「何でも引き受けるなんて無理!」と思われるかもしれませんね。
リッツカールトンホテルや米国の有名百貨店であるノードストロームでは、「お客様に決してNoと言わない」という行動指針があります。これは単に過剰サービスをするということではなく、どうやったら解決できるのかを徹底的に考えることを促しているのです。すぐにNoと言わず、解決方法を考え、チャレンジすることは仕事自体の面白味を増します。
この壁があってギバーの行動がとれない人は、責任感が強く全てを自分一人でなんとかしなければいけないけどできそうにないと躊躇しているだけで、元来利己的なわけではありません。求められている行動は、何でもほいほいと引き受けてオーバーワークをしましょうということではなく、他者の役に立つために周囲の人の力を引きだす先導役を買って出るということだと理解しましょう。
「一人で何でもする」のではなく、「みんなの力を結集する」。これが拒絶の壁を乗り越える考え方です。
ギバーの要素を持つ人は自分のことは後まわしなので、自分の主張を押し通したり、交渉することは大の苦手です。予算や給与の交渉などで、気がつけば不本意な結果が続くと、いつしかやる気も失われてしまうことも。そんな自分は損だな、とブレーキをかけている人もいるのではないでしょうか。
また、仕事上で強気な交渉をして自分ののぞむ条件を得たとしても、ギバー体質の人は「そこまでやらなくてもよかったかな…」ときまりの悪い思いをすることも多いようです。
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