コーヒーは結局「1日何杯」なら健康的なのか 適量を守っていても「不健康」の落とし穴が

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もうひとつ、「ニコチン酸」も健康にいいと言われる、コーヒーの代表成分です。「ニコチン酸アミド」とも呼ばれるこの成分、タバコに含まれるあの「ニコチン」とは、まったく別モノです。

コーヒー豆にはもともと「トリゴネリン」という成分が含まれていますが、豆が焙煎される過程で、これがニコチン酸に変わります。ニコチン酸の主な働きは、血液中の遊離脂肪酸の濃度を下げること。そのため、継続的な摂取は脂質異常症や動脈硬化などの予防につながります。

このようにコーヒーの健康効果が次々と明らかになっていますが、一方で以前から言われているとおり、コーヒーには「弊害」もあります。

先ほど「コーヒーは1日3~4杯が適量」と紹介しましたが、これを超える量を飲んでしまうと、カフェインが血液の生成を阻害するなどして、体内の各器官に疾患リスクが高まるという報告があります。特に心臓疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患が心配な方は注意する必要があります。

適量を守っていても、落とし穴が

コーヒーの飲み過ぎは精神面にも悪影響を及ぼします。カフェイン依存症は胃痛や吐き気だけでなく、不安、不眠、ひいては幻覚、幻聴に発展することもあるのです。

また、妊婦の方は、カフェインを摂り過ぎることで流産や早産、低出生体重児、発達障害のリスクが高まるとされています。摂取量が1日200mgを超えないよう、1~2杯に留めておくか、ノンカフェインのコーヒーを飲むようにしましょう。

そして忘れてはいけないのが、妊娠中の方以外でも、たとえ目安の3~4杯に摂取量を抑えていても健康を害する場合があるということ。コーヒーの健康効果の報告は、いずれもブラックコーヒーを調査対象としています。毎回砂糖をたっぷり入れていたりすれば、当然健康効果どころの話ではなく、糖尿病やメタボを引き起こす原因になりかねません。

とはいえ、砂糖を入れなきゃ苦くて飲めない……という方も多いことでしょう。そこで今回は、コーヒーの苦味をまろやかにしてくれるコンビニアイテムをご紹介。健康効果を手に入れつつ、オフィスでのコーヒータイムを楽しんでみましょう。

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