保険会社は保険を販売し、その保険リスクを引き受けています。引き受けたリスクを上手に管理し、巧みにコントロールしながら保険事業の採算をとります。しかし保険会社でも制御しきれないリスクがあります。そのようなリスクは、保険会社も自ら「保険」に入ることでヘッジします。「保険の保険」になりますので「再保険」と呼ばれています。
保険会社は、多くの場合、再保険会社から保険を買います。保険会社を相手に再保険を専門に取り扱う会社ですから、一般消費者にはなじみがありません。保険のスペシャリストを多く抱える、いわば保険の世界ではプロ中のプロと呼ばれる会社です。再保険ビジネスのメインプレーヤーは欧米勢です。ミュンヘン再保険(独)、スイス再保険(スイス)、ロイズ保険組合(英)などがよく知られています。日本にはトーア再保険があります。
保険会社でも管理しきれないリスクがある
保険会社は再保険取引のための組織を設置し、専門人材を配置しています。自社の抱える保険リスクを正確に把握し、制御できないリスクをヘッジするために再保険を買います。コストである再保険料をできるだけ抑えながら、必要な保障をもれなくしっかりと確保することが再保険部署の仕事です。
保険会社はどのように再保険を利用しているのでしょうか。それを知ることで、皆さんもご自分の保険の効果的・効率的な入り方を学ぶことができます。
保険会社のリスク引き受けを裏で支えているのが確率論です。保険会社が保険数理の専門家(アクチュアリー)を採用しているのはそのためです。保険リスクを数多く集めることで「大数の法則」が働き、死亡や事故の発生を確率的に予測することができます。確率どおりに保険事故が発生している限り、安定して利益を出すことのできる仕組みが保険です。
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