「生命保険」と「賭博」は、もともと兄弟だった 他人の死を賭けて楽しむ人間の本性

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(写真:amok / Imasia)

保険について考える連載の第2回です。前回の「新入社員は、生命保険に入ってはいけない」では、新入社員の皆さんに、「いきなり何も考えずに保険に入ってはいけません」とアドバイスをしました。多くの読者の皆さんが、疑問を感じたかもしれませんが、これは「なにがなんでも保険に入るな」とアドバイスをしているわけではありません。何も知らないうちに入ってはいけませんよ、というのが、私の主張です。

さて、今回も保険についての勉強を続けます。今回は保険の歴史をたどってみましょう。そこから生命保険の本当の姿が見えてきます。保険会社で働く人たちも意外と知らないお話です。

あなたの死が賭けの対象となっていたら?

あなたの死を誰かが賭けの対象にしていたら、どう感じるでしょうか。

といっても、あなたに何らかの害が及ぶことはありません。ただ、見知らぬ多くの人たちがあなたの知らぬところで、あなたがいつ死ぬか、を賭けていたのです。このことを知ったあなたは驚くとともに、おそらく得も知れぬ恐怖感と不快の念を覚えることでしょう。「そんなバカなこと、ありえないよ」と早計に考えないでください。昔も今も、人間はそんな愚かな賭けをして楽しんでいるのです。

たとえば、17世紀末のロンドンのロイズコーヒー店。そこに集まった人たちは他人の死を賭け事の対象として興じていました。そして、つい20年ほど前の米国。インターネット上では、他人の死を予想して賞金を競い合う「デスプール(死亡賭博)」のサイトが人気を博していたのです。

保険発祥の地と言われる英国のロイズコーヒー店には、自分の船や積み荷に保険をかける人たちが多く集まっていました。しかしその一方で、船が沈没せず、海賊に襲われず、無事に帰港すれば一攫千金の大儲けができることを知り、(自分のものでない)他人の船に保険をかける人たちも大勢いたのです。

それどころか、船だけでなく賭けられるものには何でも、たとえば選挙の結果、戦争の勝敗の行方、そして他人の死までが賭けの対象となっていました。

ナポレオンがいつ死ぬとか、病に倒れたルイ14世がいつまで生きられるとか。「他人の死」が賭博の対象とされ多く人たちがこれに興じていたのです。

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