日本の生命保険料は、世界的にみて本当に高いのでしょうか。高いか安いかの判断は、一般には、それほど簡単ではありません。その商品の価値をどう感じるか、という主観が入ってくるからです。その後で、価格の比較の問題になります。
どの店のラーメンを評価するかは、おいしさ(感覚)と他店との値段(比較)を総合的に考えて「あそこは、おいしくて安い」と判断しているわけです。
保険の場合はどうでしょうか。保険は味気ない無機質な金融商品です。だからラーメンより判断するのが簡単です。ラーメンのように付加価値(味覚、お店のブランド)はありません。ある保険会社の保険に入っているから幸せだとか、より安心だと感じるということは通常はないでしょう。
保険はきわめてシンプルな商品
保険はお金をいくら払って、どれほどの保障を得られるか、というシンプルな商品です。その意味で、保険はコモディティ(差別化困難)商品です。ですから、同じ保険を買うならば、安ければ安いほどいい、ということになります(保険会社はおそらく「サービスという付加価値がある、そこに違いがある」と反論すると思いますが、ここでは保険商品そのものについて考えています)。
日本の保険料が高いのかどうかを知るために、米国の保険料と比べてみましょう。比較するには、もちろん、同じ内容の保険で比べなければなりません。世界各国の物価水準を比べる場合、各国にあるマクドナルドのハンバーガーの値段で比べる手法があります。基本的に、どこの国でもマクドナルドのハンバーガーは同じだからです。同様に、どこの国でもプラン内容が同じなのが、一定期間、死亡だけを保障する「定期(死亡)保険」です。この保険で日米の保険料を比べてみましょう。
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