アメリカは巨人、日本はソフトバンク--プロ野球を通して考える国際政治《若手記者・スタンフォード留学記 35》

卒業まで残すところ1カ月半。今学期は、授業を2つしかとっていないため、宿題・予習の負担は軽いのですが、その分、個人的な研究テーマに没頭しています。

そのテーマの一つが、現在から20、30年後までを見据えた、世界における各国家のパワー分布を予測することです。

具体的には、経済・軍事・ソフトパワーを総合した国力において、「現在、どの国がどの程度の地位にあるのか?」、「唯一の超大国たるアメリカの後に続く国はどこなのか?」、「中国はどこまで国力を伸ばすことができるのか?」といったことを考えています。前回、前々回の「中国の政治経済」に関する分析も、その一環です。

おそらく「今のようなグローバリズムの時代に、国家という枠組みでものを考えるのは古い」という反論もあろうかと思います。ただ、まだ当分は、国家という枠組みはなくならないでしょうし、アメリカの弱体化によって、各国家間の争いは、過去50年より活発化する公算大です。

たとえば、中国は”総合国力”という概念を強烈に意識しています。経済力、国土、防衛費、技術力、国民の健康水準など18の指標を用いて、世界各国の”総合国力”を計算し、そのランキングを上げることを大きな目標としています。(2004年時点で、中国は米国、日本に次ぐ世界第3位の地位にあるとのことです)。

戦後の日本は、専ら経済に力を入れ、「世界第2位の経済大国」というのを枕詞にしてきましたが、経済が成熟してしまった以上、今後は、ソフトパワー・軍事力を含めた総合的な国力を増進するという、視点が不可欠になってくるでしょう。

個人的には、今後20、30年の時間軸で、大国の地位にある、言い換えれば、多極化する世界で一つの極となりうる国は、アメリカ、EU、日本、中国、ロシア、インドの6つだと思います(以下、EUも一つの国として定義させてください)。この6カ国に食い込むアウトサイダーがいるとすれば、ブラジルでしょう。
 
 上記6カ国の戦力を分析するにあたり、軍事・経済の数字を並びたてるだけでは、なんとも退屈です。なにか良い方法はないだろうか?--そう考えていたときに、ふと思いついたのが、「各国家をプロ野球の球団に置き換える」というアイディアです。

実際、つい先日、スタンフォードに舞い戻ってきた前米国国務長官のコンドリーザ・ライス氏も、その昔、アメリカンフットボールの例を使って、国際政治の講義をされていたそうです。

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