転機を迎える日本の人材育成(その2)

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●強化するのは「リーダーシップ研修」。マネジメント人材の育成が急務

 強化したいビジネススキル系研修では、メーカー、非メーカーともに「リーダーシップ研修」が1位だ。メーカーが33%、非メーカーが34%と高い。「今後の方向性」でも「リーダーシップ研修」はトップだった。しかし「実施したビジネススキル系研修」では5位程度だった。リーダーシップ研修を受講するのは中堅社員だろうから、マネジメント人材の育成が急務と人事担当者が認識しているのではないかと思う。
2位は「コミュニケーション研修」だが、メーカーは25%と比較的に低いが、非メーカーは33%と高い。非メーカーの方が他者との協同作業の機会が多いということだろう。3位は「ロジカルシンキング研修」で、メーカー23%、非メーカー25%だ。
4位はメーカーが「語学研修」(21%)であるのに対し、非メーカーでは「プレゼンテーション研修」(23%)だ。メーカーは海外とのコンタクトに語学力が必要であり、非メーカーでは提案能力が重視されている。
メーカーと非メーカーで差の大きい項目を見ると、「グローバル人材研修」はメーカー15%、非メーカー7%と2倍も違う。「語学研修」と合わせ、メーカーの方が明らかにグローバル志向が強い。
他の項目でメーカーが目立って高いのは「ファシリテーション研修」「ネゴシエーション研修」だ。海外の顧客や取引先との交渉には、国内取引先以上にこれらの能力が求められているのではないかと思われる。
非メーカーが高いのは「コミュニケーション研修」と「プレゼンテーション研修」以外では「ビジネスマナー研修」だ。

図表8:今後、より強化したいビジネススキル系研修
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