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「銀行員覆面座談会」 相次ぐ不正を見抜けぬ実態。融資審査や与信管理をしているはずなのに…

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談笑するスーツ姿の男性
(写真:Ushico / PIXTA)

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コロナ禍の支援策によって落ち着いていた企業倒産が昨年、11年ぶりに1万件を突破した。ゼロゼロ融資の返済や物価高、金利上昇など、企業への逆風は強まるばかり。本特集では倒産の現実を詳細に分析、「倒産危険度ランキング」もお届けする。

急増する粉飾倒産。銀行が融資審査や与信管理をしているはずなのに、なぜ粉飾が相次ぐのか。融資や審査に精通する3人のバンカーが、銀行が直面している「知られざる実態」を語った。

[参加者PROFILE]

Aさん 地方銀行勤務・40代行員 複数の支店や本部勤務の後、中規模店の支店長に。金利の引き上げ交渉に邁進中

Bさん 地方銀行勤務・50代行員 支店勤務の後、法務部や審査部などリスク管理部門に長く在籍。現在は事務統括部門でAI審査の導入など担当

Cさん 大手行勤務・40代行員 複数の支店勤務の後、本店営業部や本部の管理部門で勤務。現在は法人部門で大手企業を担当

「ゾンビ企業」が資金繰りに窮するように

A 粉飾が露呈して倒産やランクダウンに至る企業が増えている。実は私の支店でも先日、リスケ(融資の条件変更)を要請してきた企業で粉飾が発覚した。直近の数字を見るとつじつまが合わないので社長に問いただすと、長年にわたり在庫や現預金を水増ししていたという。

借入先も2行のはずなのに、実際には10行以上。決算データに不自然な点があればシステム上でアラートが出る仕組みだが、長年にわたる粉飾だと決算書もきれいだからアラートが出ない。中小企業分類でいちばん高い格付けだったが、あっという間に不良債権の「要管理先」にランクダウンした。

B 企業が粉飾をしていても、資金繰りが続いている間はそれが表面化しない。今、粉飾が露呈する事例が増えているのは、いわゆる「ゾンビ企業」が資金繰りに窮するようになっているからだ。

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