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後継者不足に付け込む事業承継M&Aの卑劣さ。「従業員には申し訳ない気持ちでいっぱい」

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手を差し出すスーツ姿の男性
(写真:metamorworks / PIXTA)

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コロナ禍の支援策によって落ち着いていた企業倒産が昨年、11年ぶりに1万件を突破した。ゼロゼロ融資の返済や物価高、金利上昇など、企業への逆風は強まるばかり。本特集では倒産の現実を詳細に分析、「倒産危険度ランキング」もお届けする。

愛知県名古屋市の梱包会社・metecoが倒産の危機にある。賃金の未払いが続き、今年1月には従業員に一斉解雇が告げられたという。取引先への支払いも滞り、営業停止状態にある。

metecoの西川正悟氏は「従業員には申し訳ない気持ちでいっぱい」と話す。西川氏は自身の病気が悪化し後継者もいないことから、2023年2月にM&Aによる事業承継を決断。M&A仲介会社からの勧誘がきっかけだった。しかし、この決断が後の悪夢につながってしまう。

買い手として紹介されたのは同じ愛知県の春日井市で運送業を営んでいたジョイワーク。同社の会長を名乗る人物から、梱包業と運送業のシナジーによって事業を拡大するなどと説明されたという。

解除されない「経営者保証」

しかし、株式譲渡後に会社の代表に就任したのはそれまで面識もなかった別の人物。会社の事情をほとんど理解しておらず不安を感じたという。

その不安はすぐに的中する。

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