転機を迎える日本の人材育成(その2)
●メーカー、非メーカーを問わず「メンタルヘルス研修」が重要なテーマ
非メーカーの研修を見てみよう。全体の順番は「評価者研修」34%、「メンタルヘルス研修」33%、「目標管理研修」28%、「チームビルディング研修」18%、「コーチング研修」17%、「ハラスメント研修」17%、「意識改革研修」14%、「プロジェクト管理研修」14%だ。
「1001名以上」では「評価者研修」55%、「メンタルヘルス研修」45%が高く、以下に「目標管理研修」25%、「コーチング研修」20%、「ハラスメント研修」20%、「意識改革研修」15%、「経営分析・戦略研修」15%だ。
「301名~1000名」になるとトップと2位の順番が逆転する。「メンタルヘルス研修」49%、「評価者研修」43%だ。続いて「目標管理研修」34%、「コーチング研修」31%、「ハラスメント研修」26%、「チームビルディング研修」26%、「モチベーション研修」20%、「プロジェクト管理研修」17%、「意識改革研修」17%と続いている。
メーカーでは大手と中堅の企業が似通っていて、中小企業が異なる傾向を示しているが、非メーカーでも同じようだ。「1~300名」の企業の研修は、「目標管理研修」24%、「評価者研修」20%、「チームビルディング研修」19%、「メンタルヘルス研修」19%、で、「プロジェクト管理研修」「意識改革研修」「経営分析・戦略研修」「危機管理研修」「ハラスメント研修」がそれぞれ11%だ。
メーカー、非メーカーを問わず「評価者研修」の実施率が高いのは当然のこととして、「メンタルヘルス研修」が重要なテーマになっていることが読み取れる。ただし「1~300名」の中小企業ではあまり研修は行われていない。
「危機管理」への取り組みは薄いようだ。東日本大震災によってBCP(事業継続計画)の重要性が指摘されているが、取り組んでいる様子はこのアンケートからは読み取れない。
図表2:2011年度に実施したマネジメント系研修(非メーカー、規模別)
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●社員のやる気を引き出す研修が重視される
マネジメント研修の今後の方向性を聞いたところ、「メンタルヘルス研修」「目標管理研修」などは今後も重視されるが、「評価者研修」と「ハラスメント研修」は低下傾向にある。
逆に高い伸びを示したのは「意識改革研修」と「モチベーション研修」だ。「チームビルディング研修」と「コーチング研修」も伸びている。意識改革、モチベーション、コーチング、チームビルディングは、社員のやる気を引き出し、チームで業績を上げることを狙っており、共通した目的を持つ研修と言えるだろう。
図表3:マネジメント系研修の現状と今後の方向性の比較(全体)
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