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有事に備え続けた中国はトランプ関税にも「どこ吹く風」だが、その備えに世界は警戒して危うさも

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トランプ関税に早くから振り回されてきた中国は備えを進めるが、その姿勢に他国は警戒も。

「ならず者」国家のようになったアメリカに中国は淡々と対応するが (写真:Erin Schaff/The New York Times)

米トランプ関税が世界に影響を広げている。鉄とアルミに加え、3月26日には輸入自動車への25%の追加関税が発表された。これに対し、カナダのカーニー首相はアメリカとの緊密な関係が「終わった」と言及。アメリカを含め多くの国で、世界経済の先行きを不安視する声が高まっている。

トランプ関税に中国は余裕しゃくしゃく?

そうした中で、中国の対応は冷静だ。主要紙には関連記事すらほとんど出ていない。対米自動車輸出が少ないこともあり、中国は西側の混乱を「どこ吹く風」と眺めている。

無理もない。2018年からアメリカに何度も関税を発動されてきた中国にとって、西側の混乱は「何を今さら」だ。アメリカの不確定性に苦悩する中国は、自立自強体制の強化を目指し、過去数年間、食糧やエネルギーの安全保障策を大々的に講じてきた。

中国が3月10日に発動した第2弾の対米報復関税は、中国の「備え」の今の到達点を示す。ここで中国は初めて、小麦やトウモロコシ、綿花などの農作物を中心に、29品目に15%の追加関税を適用すると発表した。

2018年の時点では、中国の対米食糧依存度は今より高かった。当時の中国の食糧生産は6.58億トンで、輸入が1.15億トン。これはほかと比べて悪くないが、アメリカから9000万トンの大豆を輸入していたことは、総体的安全保障観に基づいて有事対応を進めていた習近平政権を不安にさせた。14億人の胃袋への責任は重たいのだ。

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