中国は戦後80周年に際し、国連安保理の常任理事国を中心とする国際秩序への執着を見せる。

アメリカのトランプ大統領が仕掛けた関税戦争。大統領選挙中から米中関係の悪化は予想されていたが、意外にこじれているのが、日本やヨーロッパ、カナダなど、アメリカとその同盟国との交渉だ。各国は第2次世界大戦後、アメリカが掲げてきた自由主義経済のルールに基づき、アメリカ・ファ―ストのトランプに抵抗している。
この構図で奇妙なのは、中国が日欧各国に、経済協力の秋波をほぼ「送っていない」ことだ。今の中国経済の低迷ぶりには多様な評価があるが、活気がないのは確かである。
中国は「通常マニュアル」を封印中
普通なら日欧との協力を温め直して経済回復に努めるはずだ。歴史的にも、中国は日米欧のどこかと関係が悪くなると、必ずそれ以外に接近して外交と経済の均衡をとってきた。だが今回、この「通常マニュアル」は封印されたままだ。
小さな動きがないわけではない。昨年秋に日本で石破政権が誕生してから、中国はすぐ高位級会談に動いた。また本年6月末には、福島原発の処理水排出に絡む日本産水産物の輸入禁止を基本的に解除した。だが解除はすると表明してから遅れに遅れ、10都県産の農水産物はなお禁輸中だ。
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