
7月に入り、今年も中国各地で「抗日戦争勝利」を記念する行事が繰り広げられている。今年は盧溝橋事件から88年。抗日戦争の勝利から80年となる節目の年だ。
抗日戦争を勝利に導いたことは中国共産党の正統性を示すものであり、今もなお、中国の権益を侵そうとする外国勢力にどう対処するかは政権の優先課題である。世界2位の経済大国となった中国は、近年、米国をはじめとする西側諸国への対抗意識をいっそう強めている。
2012年の政権発足当初から国家安全保障に強い関心を示す習近平国家主席(中国共産党総書記)は、これまで関連法規の整備や思想的な締め付けの強化を行ってきた。
「白書」から見える安全保障観
今年5月には国務院(内閣に相当)が「新時代の中国の国家安全保障」と題した白書を初めて公表。安全保障に関する理念や成果、今後の取り組みについて示した。
この白書は、中国の安全保障にとって何が重要で、それを阻害するものは何であるかについて、習政権の認識を知ることのできる公式文書である。この白書から読み取れる、習政権の対外的な脅威についての認識や対米観を分析してみよう。
記事全文を読むには有料会員登録が必要です。
(残り 1945文字 です)
【9/30(火)まで】 年額プラン2,000円OFFクーポン 配布中!
詳細はこちらから
無料会員登録はこちら
ログインはこちら