
トランプ米大統領は4月、「相互関税」を発表し、各国は大混乱に陥った(写真:SPUTNIK/時事通信フォト)
トランプ関税、ウクライナ戦争への対応、イランへの空爆。アメリカのトランプ大統領が世界を混乱させている。その言動は第1次政権以上に予測不能だ。本特集ではアメリカと、翻弄される世界の現在地を読み解く。
「予測不能であることが強み」であるかのように捉えられつつある、トランプ米大統領。世界を混乱させているのは、歴史的経緯を無視した直感的な外交スタイルだけではない。中でも象徴的なのが、関税をめぐる一連の対応だ。
中国をはじめとする各国にさまざまな要求を突きつけ、応じなければ関税率を引き上げると脅す。交渉が思うように進まないとみるや再び関税率を吊り上げ、あるいはその発動を見送る。
一見すると場当たり的で、乱暴ともいえる交渉スタイルに、世界は振り回されている。行動パターンをつかむ手がかりはないのか。何らかの戦略や交渉術の下に行動しているはずではないか。
関税政策と2つのゲーム
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