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マツキヨココカラが買収した化粧品SNS「LIPS」の真価。国内最大規模の化粧品デジタル戦略で勝負

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マツキヨココカラは渋谷の店舗を改装して、2023年に化粧品や美容に特化した旗艦店をオープン。若年層をターゲットにした展開を進めてきた(記者撮影)

昨年12月、ドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニー(以下、マツキヨココカラ)が都内のスタートアップを買収した。

企業名はAppBrew(アップブリュー)。2016年に東京大学の学生メンバーが立ち上げたWEBアプリ開発運営会社で、化粧品・美容メディア「LIPS(リップス)」を運営する。買収額は非公表だが、マツキヨココカラによれば業績に与える影響は軽微だという。

大きなM&Aには見えないが、この買収は今後のマツキヨココカラのデジタル戦略を左右する可能性がある。

なぜ、異業種のスタートアップの買収に動いたのか。両社の幹部に取材すると、リアルの店舗販売とデジタルマーケティングによる、化粧品の新たな販売戦略が見えてきた。

急拡大した「LIPS」人気の秘密とは

LIPSはどのようなサービスなのだろうか。若い世代や業界関係者でなければ、名前を聞いてもピンとくる人はまだ少ないはずだ。会社の説明では「国内最大級の美容クチコミプラットフォーム」とされている。

LIPSには化粧品や美容に関するさまざまな情報が満載だ(記者撮影)

アプリには化粧品に関するクチコミや写真、メイクがうまくなるコツを紹介するショート動画など、さまざまなコンテンツがあふれ、ユーザーは感想をコメントしたり、使い方、使い心地を聞いたりしている。

SNSの側面も強く、数十万人規模のフォロワーを抱えるユーザーも多い。化粧品に詳しい人たちと友達感覚で情報交換できる楽しさが特徴でもある。ユーザーの60%以上が20代以下で、特に若い世代に根強い支持を集めている。

サービス開始は2017年1月。化粧品や美容の情報に特化したSNSは珍しく、爆発的にユーザー数を伸ばした。2024年4月時点でアプリは累計1200万ダウンロード、投稿は累計で500万件を突破している。1カ月あたりのユーザー数(MAU)は1000万人にのぼる。

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