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またもや台湾を包囲して軍事演習!中国軍はウクライナ戦争で何を学んで準備しているのか、3名の防衛研究者が台湾有事を語る!

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国際社会に衝撃を与えたウクライナ戦争も4年目に突入した。中国は軍事面で何に注目し、台湾侵攻の準備に使おうとしているのか。

『「新たなる戦争」の諸相』のサムネイル
防衛研究所は世界の戦略トレンドを分析する研究書籍シリーズ『NIDSパースペクティブ』を刊行している。『「新たなる戦争」の諸相』はシリーズ第3号で、3月末に発表された。防衛研究所のホームページで全文閲覧できる(写真:防衛研究所提供)

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2022年2月から続くウクライナ戦争は4年目に入った。国際秩序に大きな衝撃をもたらし、東アジアで台湾問題に与える影響にも注目が集まる。またドローンや商用を含む通信衛星活用など「新しい戦争」としての側面も見せる。
2025年4月1~2日には中国が再び台湾周辺で大規模な軍事演習を行った。台湾への武力行使の放棄は決してしない中国はウクライナ戦争から軍事的にどのような課題を認識し、軍事力を強化しようとしているのか。そして防衛力を強化する台湾やアメリカ、日本はどのような教訓を得て備えを加速する必要があるのか。『「新たなる戦争」の諸相——ウクライナ戦争の教訓と米中対峙の行方』を刊行した防衛研究所の杉浦康之・主任研究官、相田守輝・所員、五十嵐隆幸・専門研究員の3名に話を聞いた。
※本記事は2025年4月5日8:00まで無料会員は全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

ウクライナ戦争は軍事面で劇的な衝撃はない

――ウクライナ戦争は軍事面でどのような影響を各国に与えていますか。

杉浦:軍事戦略・軍事ドクトリンや作戦構想などの大枠では劇的な衝撃はなかった。中国は「情報化局地戦争」という軍事ドクトリンをもっている。端的に言えば各部隊や兵器を情報システムでつなぎ一体化して戦うという概念だ。

ウクライナ戦争ではまさに情報システムが密につながって軍事作戦が進行しており、中国はこれまでの軍事ドクトリンの方向性は正しかったと確認しただろう。中国は「智能化戦争」についても提起しており、AIやドローンの活用や認知領域での闘いが重要だと考えてきたが、それも正しかったと考えているはずだ。

台湾もウクライナが行っている非対称戦争の戦い方や彼らがもっている抵抗力の重要性を再確認した。以前から進めてきた防衛政策が正しいと証明されたと思っている。

一方で中国はコンセプトが合っていても、台湾侵攻を考えた時に足りない点もかなりあると認識している。例えば核戦力だ。ロシアが核による恫喝を続けたためアメリカは直接介入に踏み切らなかったと中国は考えている。そこで核戦力を急速に拡充させている。

――ドローンや宇宙領域の活用について、中国は具体的にどう考えているのでしょうか。

相田:ウクライナ戦争を観察してきた中国軍は、航空優勢でさえ獲得するのが非常に難しいということを悟ったはずだ。

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