「台湾有事」を防ぐため、日本は分断を図るのではなく関与が必要だ
台湾海峡の緊張が高まっている。中国が台湾統一(併合)に向けて武力侵攻する日がくるのか。7月31日発売『週刊東洋経済』の特集「台湾リスク」では、日本企業に迫り来る台湾有事の全シナリオを示した。
──台湾有事が叫ばれています。
台湾有事への懸念は、別に今に始まったわけではない。1970年代、米国は中国と国交を正常化する一方で台湾関係法を成立させた。台湾の防衛に関与するとしつつ、いざというときには「とるべき適切な行動決定」をすると、あいまいな表現にした。中国には軍事行動を起こさぬよう、そして台湾には独立を言わぬよう、双方にメッセージを送った格好だ。
この状態は当時から変わっていないのに、なぜ今台湾有事か。ウクライナ戦争が始まって以降、東アジアでも同じことが起こるかもしれないと親台、右派政治家を中心に問題提起するようになった。
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