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台湾と中国の複雑な関係を理解するキーワード センシティブな両岸を把握するための知識

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台湾と中国の両岸関係は複雑かつセンシティブ。両者の関係を理解するうえで最低限知っておきたいキーワードを解説する。

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(写真:Rhetorica / PIXTA)

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台湾海峡の緊張が高まっている。中国が台湾統一(併合)に向けて武力侵攻する日がくるのか。7月31日発売『週刊東洋経済』の特集「台湾リスク」では、日本企業に迫り来る台湾有事の全シナリオを示した。ここでは、複雑かつセンシティブな台湾と中国の関係を理解するうえで最低限知っておきたいキーワードを解説していく。

Keyword①|「一つの中国」原則

中国は台湾や国際社会に対して、台湾は中華人民共和国の一部だと主張しており、それを「一つの中国」原則と呼んでいる。中国政府が主張する「一つの中国」原則は次の3つの要素から成り立つ。①世界で中国はただ1つ、②台湾は中国の不可分の一部、③中華人民共和国が中国を代表する唯一の合法政府である。

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中国政府は、同原則は国際社会が認めており、「国際的なコンセンサス」であると主張。台湾に対する中国政府の立場を正当化する根拠に広く使っているほか、台湾問題は中国の内政問題だとする。

ただ、日米をはじめ主要各国が中国政府の主張を全面承認しているわけではない。例えば米国は3要素のうち、③について「承認(recognize)」したが、①と②については「認識(acknowledge)」とした。日本も③について「承認」、②については中国政府の立場を「十分理解し、尊重」するとした。

各国は中国が主張する「一つの中国」原則に配慮しながらも、中華人民共和国が台湾を統治していない現状に鑑み、戦略的なあいまいさを残す。多くの国が、中国の主張する「一つの中国」原則をそのまま受け入れず、それぞれ独自の方針を取り、現状として「台湾は中華人民共和国の一部」であることまで完全に承認しないように苦心し、台湾問題の平和的解決を求めるなど関与する余地を残している。

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