台湾の科学技術を牽引してきたのは、シリコンバレーから戻ったハイテク移民たちだった。
台湾海峡の緊張が高まっている。中国が台湾統一(併合)に向けて武力侵攻する日がくるのか。7月31日発売『週刊東洋経済』の特集「台湾リスク」では、日本企業に迫り来る台湾有事の全シナリオを示した。
AI(人工知能)半導体で圧倒的な世界シェアを誇る米エヌビディア社のCEO(最高経営責任者)、ジェンスン・フアン氏。世界が注目する起業家であり、シリコンバレー流プレゼンの名手としても知られる彼が、今年5月、トレードマークの革ジャンの代わりにアカデミックガウンを羽織って意外な場所に立っていた。台湾大学の卒業式で台湾語(閩南(びんなん)語)を交えつつ、約20分間の祝辞を述べたのだ。
フアン氏は1972年、9歳のときに兄とともに親戚を頼って米国に移住し、後に両親と合流した。父親は、勤め先の電機メーカーの研修で米国に滞在したときに、子どもたちに米国で教育を受けさせることを決意したという。
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