"老化早める"首の変形、どんな不調につながる? ストレートネックの恐怖と見分け方
個人差がありますが、子供の頃から外遊びを多くしていた人は目線を上げて遠くを見ることが多かったはずです。体の奥の筋肉まで鍛えられ、背骨の可動範囲も広くなっています。一方インドア派はその逆で、下向きで目の焦点を動かすことが少なくなります。筋肉は少なく、関節の可動範囲も狭く、身体機能が弱まる傾向があります。
現代は子供の頃からストレートネック
つまり昭和生まれの田舎育ちのような人たちは、子供の頃は良かった首が大人になってだんだんストレートネックになってしまう、という経過をたどっていました。
しかし私の患者さんの様子を拝見していると、「現代の若者の多くは、子供の頃からストレートネックになっている」と確信せざるを得ません。
考えられる原因のひとつは、現在の子供たちのスマホデビューが早いこと。
運動不足と下の向き過ぎのダブルパンチで、これから身長が伸びるという成長過程からすでにストレートネックになってしまっています。ストレートネックのまま成長して、その後もストレートネックのまま生きている。そんな負担の多い時間が続くのですから、体のあちこちが痛いとか、なんだか調子が悪いとか、そんな症状がどんどん若年化してしまいます。本当に若い患者さんが増えてきているのです。
最近増えている、自律神経失調症の一種である「起立性調節障害」にスマホ首が関連している可能性も否定できないでしょう。朝起きられず、不登校やひきこもりになってしまう子供・若者が増えていることは、憂慮すべき事態です。
もちろん、スマホやパソコンによるストレートネックは若者だけの問題ではなく、むしろ中高年世代にはもっと直接的に、つらい症状として現れます。もともと、長年の姿勢の悪さが蓄積して肩こり、手のしびれ、腰痛などが出やすい世代なのですが、不調になる時期が早まってしまうのです。
私たちの体調の悪さや姿勢の悪さに、スマホやパソコンが悪影響しているのは間違いありません。それなのに不調で具合が悪いときほどスマホから得られる楽しみは、苦しさを紛らわすのに最適なドラッグである、ということです。


















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