「大腿骨を骨折した人」半分は5年以内に死亡の怖さ "ある年齢"を境に身体機能は「ガクッと」落ちる

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身体機能はゆるゆるとではなく、ある時期(段階)でガクッと落ちていく(写真:今井康一撮影)  
大腿骨近位部骨折後5年死亡率は51%。がん全体の5年生存率は66.2%なので、単純に考えれば、がんよりも大腿骨の骨折のほうが生存率は低いということになります。
東京大学医学部老年病学教室の元教授で、90歳を迎えた今も骨粗鬆症財団理事長を務める折茂肇医師は、「高齢になるほど、骨が重要」と語ります。
折茂医師の新著『90歳現役医師が実践する ほったらかし快老術』より一部抜粋・編集してお届けします。

身体機能は「ガクッと」落ちる

人が年をとるのに伴って、身体機能が衰えていくこと、病気が増えていくことは多くの人が理解していることであろう。ただ、多くの人は機能が少しずつ衰え、ゆるゆると坂を下っていくように低下していくというイメージを持っているのではないだろうか。

確かに、さまざまな調査によって出されたデータでは、そうした下り坂のようなグラフで示されることもあるが、それは平均的な統計データとしてはそうみえるだけである。

実際には、身体機能はゆるゆるとではなく、ある時期(段階)でガクッと落ちていく。身体機能の衰えや病気のなりやすさが大きく変わる、明確な境目(節目)があるのだ。

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