《ふるさと納税》は10月から制度変更!"ポイント禁止"を前に盛り上がる「駆け込み寄付祭り」の裏側を解説。各ポータルサイトの思惑は?

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今回のポイント禁止には、カード決済に対するポイント付与は含まれない。となると、カード会社が利用額に対する付与ポイントを期間限定でアップするということもできなくはないだろう。

例えば、楽天カードのうち年会費がかかるゴールドカードやプレミアムカードなどの上位カードユーザーに、ふるさと納税が増える年末限定で、ポイント増額キャンペーンを打つなどの手法だ。ふるさと納税に対してではなく、あくまでカード利用額に応じたポイントで、抽選によるプレゼント付与にしてもいい。

なお、ポイント付与はNGでも、他のサービスで貯めたポイントを寄付額に充当することはできそうなので、ポイ活民もそれほど困らないのではないか。こんなことを書くと、あらぬ動きを呼びそうなのでこの辺までにしておくが。

より「お得感」をアピールする方向へ

とはいえ、多くのポータルサイトにとって、来年のふるさと納税の動向がどうなるか、悩ましいだろう。数あるサイトの中で、自分たちを選んでもらうためには、どの手が有効になるのだろうか。

1つには、掲載する返礼品の魅力をこれまで以上に高めることだ。先のトラストバンクの調査でも、ポイントなき後にポータルサイトに期待する点として、「掲載されている返礼品の数の多さ」「検索のしやすさ、絞り込み機能の充実」が上位に上がる。さとふるのレポートでも、今後サイトを選ぶ際に重視するのは、7割が「お礼品の魅力」、約6割が「サイトの利便性」と答えている。

本来は自治体の応援という意義があるふるさと納税も、今では家計応援の視点で返礼品選びをする消費者は多い。ポイントというツールが消えた後、ポータルサイトはよりいっそう「お得感」を打ち出すことにシフトしていくだろう。1万円台という手ごろな寄付額で、コメに食品、水、ティッシュなどの日用品がどれだけ受け取れるかという物量競争になりそうな気がする。

楽天のようなECサイトを持つ事業者なら、その人のECでの購入履歴を分析したAIが、それを参考に自治体+返礼品のお勧め提案をするということも簡単にやれそうだ。

ポイントが消えてもポータルサイト同士のオトク競争は絶対に続く。やはり物欲は人間を動かす強い動機だからだ。ふるさと納税の今後は、きれい事だけで進むとは限らない。

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松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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