「手柄なんてくれてやれ」。執着しない人ほど「ビジネスで成功」するワケとは――大愚和尚が説く人生を好転させる"離れる力"の磨き方
それが100%間違っているとまではいいません。けれども「お腹が減っているから、たくさん食べられる」のと同じで、ビジネスでも持てる力なり、資金なりをすっきり出し切るからこそ多くを得られるのだと思います。
いま、世の中で大きく成長するビジネスを見ていても、とくに最初のうちは「出す」量のほうが「入る」量より多いと感じます。
典型的なのはスマホでしょう。最初はタダみたいな値段で販売します。端末の販売収入は、相当利幅が薄いと聞きます。文字通りの“出血大サービス”をし、消費者は大喜びで買い求めるでしょう。当然、端末は大量に売れて、そのぶん、契約者が支払う月々の通信収入は、とても大きなものになります。
販売収入の利益を思い切って「すっきり吐き出す」ことで、端末の販売による利益は薄くても、あとから莫大な利益を回収できるのです。
それは「目先の利益から離れる」ということです。
もし販売収入と通信収入と、ダブルで見返りを得ようと期待しすぎるとうまくいきません。端末の価格を上げることになり、消費者の買う気がそがれるからです。そのぶん、売り上げが上がらず、通信収入も期待したほど得られず、ビジネスは行き詰まってしまうでしょう。
全力を出し切って仕事に立ち向かう
■お金も能力も使ってこそ生きるもの
いまの時代に伸びているビジネスは、だいたいこのスタイルです。
見返りを期待したい気持ちから離れ、まず相手の利益を最優先して、自分の持てる力をすべて出し切る――。そのほうが、結果的に「当初の期待値をはるかに上回る利益や評価、成功」に恵まれるでしょう。
その意味では、「出し入れを上手に循環させる」ことが、ビジネスの極意ともいえます。一言でまとめると、「お金は使わないと入ってこない」ということです。
これは、成功者やお金持ちの人なら誰もが、経験的に知っている「お金儲けの法則」の1つです。つまり、「手元に置くお金への執着を離れることで、逆にお金が入ってくる」ということです。
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