「手柄なんてくれてやれ」。執着しない人ほど「ビジネスで成功」するワケとは――大愚和尚が説く人生を好転させる"離れる力"の磨き方

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私たちは外から口を経由して食べ物を体内に取り入れ、胃腸などで消化しています。食べ物がなければ、体は維持できません。同時に体には、目・鼻・耳などの穴があり、そこから外界のさまざまな刺激を取り入れています。これらの刺激がなければ、体は十分に機能しません。

もし人間が、このように「食べ物や刺激などを自分の内側に取り入れる」という行為を「めんどうくさい」とやらなくなったらどうなるでしょうか。生きる意欲も体力も減退し、最悪の場合、死んでしまいます。

そうなったら大変なので、体には、何かを取り入れるとセットで「気持ちいい」「心地いい」「楽しい」と、快楽を感じるメカニズムが備わっています。

たとえば、「ごはんを食べるとおいしいし、幸せな気持ちになる」というメカニズムが働くから、「朝昼晩、ごはんを食べる」のはけっこうめんどうなことだけれど、イヤにはならないわけです。「ゲットしていく喜びが、フィジカルに設計されている」といっていいでしょう。

一方、「出す」行為はどうでしょうか。

食べることがどんなに気持ちよくても、消化してため込む一方だと、体はおかしくなります。だから「出す」ことも、とても気持ちがいい。トイレに行って「あー、すっきりした」と思うのです。

つまり体には、「出す」ことによって快楽を感じるメカニズムもある、ということです。

目先の利益から離れないといけない

■「出し惜しみ」をする人は成功できない

ここで1つ、質問です。

「みなさんはトイレで出すとき、『あー、せっかくのご馳走が……もったいないなあ』と出し惜しみをしたり、『出してやるんだから、倍にして返してほしいな』などと期待したりしますか?」

答えは「出し惜しみも期待もしない」に決まっていますよね?

「見返りを期待する」というのは、じつはそういうことなのです。見返りを期待する気持ちから離れられないことがいかにばかばかしいことか、わかっていただけると思います。

「出し入れ」の視点を持ち、「すっきり出し切る」ことに重きを置くと、ビジネスもうまくいきます。売り上げを伸ばしたいビジネスでは、こちらから提供するだけでは、損をした気になるかもしれません。

「入るを量りて出ずるを為す」、つまり入ってくる額を計算して、それに見合う支出を計算することが、ビジネスの王道のような考えがあるからでしょう。

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