「ヤキモキさせやがって、という心境でした。6浪する気満々だったので、もう受験勉強しなくていいや、ラッキーという感じでしたね」
医学部で感じた「なめていた自分」
こうして5浪の末に藤田医科大学に入学した山尾さん。
浪人してよかったことを聞くと、「医学部に入れたこと」、「友達が増えたこと」、頑張れた理由は「3浪をすぎるともう医学部しかないという固定観念があったから」と返ってきました。
「今考えるとすごく医学部をなめていました……こんなに難しいと思わなかったです。状況的にやるしかないな、とはずっと思っていたのですが、なぜか最後まで勉強に身が入らなかったですね。部分部分では頑張ったはずですが、トータルでずっと勉強していた自信はありません」
藤田医科大学に入った後の山尾さんは、部活に入らない仲間が4人でき、だらだら過ごしていたそうですが、年間で学費と生活費が800万円かかることを恐れ、テスト前に勉強を頑張って留年を回避。無事留年せずに卒業し、ストレートで医師国家試験に合格することができました。
現在は皮膚科の医師になって8年目。研修医の2年を含めると医師になって10年目を迎えました。
「今、反省しているのは、もし1〜2年間本気で勉強したら、浪人生活がちょっと減っていたかもしれないということですね。1年でも早く医者になっておけば、その分いろんな勉強ができるから有利なんですよ。早く合格していたはずの1〜2年を失ってしまったことは大きいです。僕が大学受験で落ち続けたのは、高校の中退が結構大きいと思います。高校の時は中間・期末テストがあって、テスト対策で勉強したらその後忘れますが、受験勉強の時に『あ〜、これ昔やったな!』があるわけです。でも、僕にはそれがなかった。あとは自分は頭がいいと勘違いして受験をなめていたことに尽きますね。それで受験勉強に身が入らなかったので。もし医学部に行くならどこの高校に進むかはちゃんと考えたほうがいいと思います」
名門付属校を中退し、5浪してようやく目標を叶えた山尾さん。「本気で勉強することは大切」と語る彼はまさに今、当時の失敗を活かして、本気で勉強を続けて人生を前向きに生きているのだと思いました。

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら