「もっちゅりん」がバカ売れのミスド。「辻利」「ゴディバ」「ピエールマルコリーニ」のコラボ商品も話題、新商品で行列を作る戦略の”強さ”
さらに、日本ではダスキンの効率良い経営とクレンリネスのノウハウを導入できた。だからこそ、同時期に進出した「ダンキンドーナツ」や、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の拡大を許さなかったのだろう。
セブンのドーナツ相手には苦戦 ちょっとした”自滅”も?

一方でミスタードーナツは、2014年に登場した「セブンカフェドーナツ」相手には苦戦した。店舗数はセブン-イレブンのほうが圧倒的に多いうえに、安価なコーヒーとのセット買いで、ミスタードーナツに行くまでもなく顧客を満足させてしまった。
ただ、最終的には競争にならず、セブン-イレブンのドーナツは2017年に撤退。同社は2024年から、急速冷凍の生地を店内で揚げて提供するドーナツを提供している。
ドーナツとしての美味しさ・質の問題もあって定着しなかった「コンビニ・レジ横ドーナツ」だが、ミスタードーナツは対抗するように「100円セール」連発で顧客を囲い込もうとして、収益悪化で4年連続赤字に沈んだ。いわば「自滅」に見えなくもない。

その後ミスタードーナツは、「ミスドゴハン」による単価向上・ドーナツ一本足打法からの脱却で赤字体質から脱却。居心地の良さを向上させたカフェ型の店舗改装で「居心地が良い店」としてのブランド力を向上したところで、コロナ禍によるテイクアウト特需に乗って、一気に業績を回復した。
ミスタードーナツがたどった「ドーナツ戦争・生き残りへの道」は、偶然や幸運に見える。しかし実際は、適した商品を開発して、適した店を作っていただけで、結果として競争相手に勝利しているのだ。
いちど閉店も、要望で復活 ミスドと箕面の深すぎる関係


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