「あら、有料なの?」些細な一言が豹変の引き金に…クレーム対応のプロが語る「対応の正解・不正解」

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人間には、切り返したいという思いが常にありますが、それを拭い去れるようにならないと、プロとは言えません。

大きな企業で、コールセンターに長く勤めている方なども、常時イラつきを抱いています。「一度でいいから言い返したい」と、アンケートに答えてくれた正直者もいました。

お気持ちはわかりますが、その考え方ですとやがてメンタル面を病むことになります。

「あなたのためです」

新製品の試食販売をしているベテラン社員なら、どう答えるでしょう。さすがに皮肉は言いません。

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「小分けにしないの?」に対しては、「サービスの袋は、お客様に入れていただいています。また、大袋に入れたものを、ご自宅で小分けにして相手方に持参すると、袋に折り目も付かずきれいに見えますので、お客様のタイミングでお分けいただくのが最良と考えます」と言って、会話を切るのです。

暗にあなたのためです、と押し返すのです。

時代が大きく変わったこの10年、ビニール袋に限らず買い物の持ち帰り袋はほぼ有料になっています。

しかし、先に紹介した常連客は、意地を悪くしたら、新人アルバイトに「個別に入れないの」と言ったことでしょう。ベテラン社員は、大切な顧客に対し粗相がないように見守っており、いつでもバトンタッチができる状態にしていました。

もし何かあれば、やんわりと「こんにちは」と、入る準備をしていたのでした。

関根 眞一 苦情・クレーム対応アドバイザー

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せきね しんいち / Shinichi Sekine

百貨店に34年間在職し、全国4店舗のお客様相談室を担当。こじれた苦情・やくざ・クレーマー・詐欺師等特殊な客を専門に1,300件以上の苦情に対応した。

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