カスハラ対応を現場任せにする会社に欠けた視点 その利用者は「顧客」かそれとも「非顧客」か

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(写真:amadank/PIXTA)
連日、報道されるカスハラに関するニュース、客からの理不尽なハードクレームやカスタマーハラスメントへの対策は多くの企業・組織にとっての急務となっています。しかし、カスハラやハードクレームの定義について、即答できる人はまだ少ないのではないでしょうか。
今回はクレーム対応百戦錬磨の研修講師が著書『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』より、お客様対応とはまったく異なるハードクレーム対応時の心構えを解説します。

現場が迷わず行動できるような方針設定が必須

「申し訳ないと思っているなら土下座しろ」「いいからやれ、殺すぞ」「意味が分からないのか、バカ、低能」など明らかな暴言や身の危険を感じるような言動についてはカスハラと言えそうです。しかし、「ねえ、ちょっと聞いてよ…」とお客様から毎日窓口で世間話に応じさせられるという場合、これはハードクレームと言えるでしょうか?

このようなグレーゾーンを明確に定義しなければ、現場の従業員はどう対応すればいいか分からず悩んでしまいます。ハードクレーム対策は現場スタッフの接客レベルを向上させるだけではなく、組織全体で一貫した対応をとることが不可欠だからです。

クレームを定義するためのヒントとして、次のような分類をご紹介します。

一般クレーム:商品やサービスの質などが、お客様が抱いていた期待値を下回ったことによって生じた要求です。お客様の声を真摯に受け止めることで、商品やサービスの改善、顧客満足につながる有益なクレームです。
特殊クレーム:商品やサービスへの意見と見せかけて、実は、全く関係のないことを持ち出し、クレームをつけ、担当のスタッフを困らせるものを特殊クレームと呼びます。心の問題を抱えている人が起こすケースも多く、一般クレームと同じ対応方法では、解決できないものと心得ましょう。
悪意クレーム:金銭の要求や業務妨害など、明らかにクレーム内容とは別の意図や目的、何らかの魂胆からのクレームを「悪意クレーム」と呼びます。
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