カスハラ対応を現場任せにする会社に欠けた視点 その利用者は「顧客」かそれとも「非顧客」か
例えば次のようなお客様について、皆さんはどう感じますか?
・スタッフを捕まえて、業務に関係がない話を延々と聞かせる
・釣り銭を1円間違えるなどのささいなミスに対して、過度な謝罪を要求する
・スタッフにセクハラをする
このようなお客様に「またぜひ利用してほしい」と思う人はいないでしょう。そのような相手はもはや顧客ではありません。
これは、公共施設も同じです。「税金で運営しているから」「公的な機関だから」と、我慢する必要はありません。顧客は企業・組織が自分で選んでいいのです。
ただし、それには、お客様を定義づけする難しさも知っておかなければなりません。
限定商品を転売目的で大量購入するお客様は非顧客?
ここ数年、限定商品を転売目的で大量購入する人たちの様子がニュースなどでよく取りあげられており、議論を巻き起こしています。たしかに一見、迷惑行為に見えます。でもこの事例だけでは、「非顧客」とは言い切れません。
「せどり」という言葉を聞いたことはありませんか? 購入した金額より、付加価値をつけて高く売る商売のことで、古本屋や古物商はこれに当たります。つまり、転売目的での商品購入自体は、法律に違反しているわけではないのです。店の方針によっては「大量購入してくださる良いお客様」と捉える場合もあるでしょう。
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