「カスハラ対策」を甘くみている企業に欠けた視点 小売業・飲食業だけが対策すればいいわけじゃない

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(写真:mits/PIXTA)
東京都では、2025年4月からカスハラ防止条例が施行される予定で、企業に対するカスハラ対策の義務化が進んでいます。近年、企業が取引先との関係を優先しすぎるあまり、社内のハラスメント対応が後手に回り、結果として社会的信頼を失うケースがあります。BtoB企業においても、ハラスメント対策は単なる現場の問題ではなく、組織全体で取り組むべき課題です。
本記事では、BtoB企業がなぜハラスメント対策を怠ってはならないのか、その理由と対策について、『カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本』の著者である津田卓也氏が具体例を交えながら解説します。

BtoBだからと対策を怠ると、社会的信頼を失う

BtoB企業の多くは、消費者を直接相手にするBtoC企業ほどカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対策を重要視していないかもしれません。しかし、取引先との関係を優先するあまり、不適切な対応をしてしまえば、後に大きな社会的信用を失うリスクがあります。

昨今世間を騒がせている旧ジャニーズ事務所の性加害問題では、メディア各社の対応が遅れたことが批判され、企業としてのガバナンス体制の在り方が問われる事態となりました。こうした問題が大きく報道されると、企業全体のブランドイメージが損なわれてしまうことがあるのです。

一般的に、カスハラ対策は小売業や飲食業などのBtoC企業が主に取り組むものと考えられがちですが、BtoB企業にとっても無関係ではありません。取引先との関係を重視しすぎるあまり、不当な要求やハラスメントを見逃してしまうと、企業の信用が大きく損なわれるというリスクもあります。

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