「カスハラ対策」を甘くみている企業に欠けた視点 小売業・飲食業だけが対策すればいいわけじゃない

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企業にとって、カスハラ対策は単なるコンプライアンスの問題ではなく、経営戦略の一環と考えるべきです。取引先との関係を維持しつつ、不当な要求やハラスメントには毅然と対応するためには、次の取り組みが不可欠です。

①ハラスメント対策の明文化:取引先との関係においても、ハラスメントを許容しない方針を明確にし、契約やガイドラインに盛り込む。

②経営層の関与:現場任せにせず、経営層が積極的に関与し、適切な対策を指示する。

③通報制度の強化:社内外からのハラスメントの通報を受け付ける窓口を整備し、通報者が不利益を被らない体制を構築する。

④教育と意識改革:従業員に対して定期的な研修を実施し、カスハラへの適切な対応方法を周知徹底する。

カスハラは、パワハラやセクハラと同じ

カスハラ、悪意クレームなど ハードクレームから従業員・組織を守る本
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世間を騒がせているハラスメント問題は、BtoB企業にとっても対岸の火事ではありません。取引先や顧客との関係を重視するあまり、不適切な対応をしてしまえば、企業全体の信頼を失うリスクがあることを改めて認識し、適切な対策を講じることが求められます。また、ハラスメント対策を整えるだけでなく、その対策が形骸化しないよう、ガバナンスの強化も必要です。

企業がハラスメント対策を講じる目的は、「あらゆるハラスメントから従業員を守る」ということにありますつまり、心理的安全性(安心して働ける安全な職場)の高い組織を作ることこそが、これからの企業に求められることではないでしょうか。

津田 卓也 クレーム研修担当講師/Cube Roots代表

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つだ たくや / Takuya Tsuda

1995年ブックオフコーポレーション入社、1997年店長に就任。東京エリア・マネジャーとして前年対比売上150%を達成し、年間MVPを受賞するなど数多くの表彰を受ける。その当時、自らが過去にクレームでの監禁、軟禁をはじめ様々なクレームを経験。2005年(株)Cube Roots設立。自身の経験に基づき行うクレーム研修は完成度が高く、「現場の事情をよくわかっている」と、受講生の高い共感を呼んでいる。日本全国で年間200回以上の研修を実施し、クライアントからのリピート指名率は100%。受講生の数は述べ数万人に及ぶ。

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